視点を変えてみる必要性。
虫歯になったら歯医者に行く、病気になったから病院に行く、これはその通りだと思います。
医者は、患者に対して病気を見つけ、それに合った処方をするのがプロです。
ただ定期検診や健康診断をして、なぜこの人は健康なのか…なぜこの人は病気にならないのか…ということを専門としているわけではありません。しかし最近は虫歯になったからとか病気になったからという対処療法ではなく、根治療法の意識が高まってきています。
もし、親や私たちが対処療法と同じように、学校の勉強についていけていないのではないか、という一点で接してしまえば、「ダメなところを指摘し直す」ということになってしまいます。親は子供の身近な存在ですので、余計に欠点に目がいってしまい、「何やってんの」とガミガミ怒って、おしまいになってしまいます。
しかし、子供に対して別の視点を持っていれば、接し方もずいぶん変わるものです。
分かりやすい例が「集中力」です。「うちの子は集中力が全然持たないんです」という話はよく聞きます。
しかし、「勉強ができる人」も集中力はそんなに長くはありません。また勉強時間が長いとか短いとかも気にしていません。それよりも「できないものが残っていること」を気にしています。だから時間が長くなっても苦ではなかったりします。これを「できる側の視点」がないと、「勉強ができる人」=「何時間も集中できる人」と思ってしまい、「2時間は、集中して勉強しなさい」と怒ってしまい、それができないとまた怒り…の繰り返し…
これが別の視点でみることができれば、2時間みっちりではなく、15分の集中を、何回も繰り返せればいい…という指導にいきつきます。
また、「あとは自分で考えなさい」という言葉も、その子の状況を判断できる人が存在し、自分なりの答えを持っている人だけが使えるものです。子供は、いきなり何もない状態から生み出すわけではありません。勉強の工夫にしても、いきなりは出てきません。
しかし、これまで親・学校の先生で言われたアドバイス、何かで読んだ本が頭のなかにあれば、それを選択するということができます。
それが工夫となってきます。
今は直ぐに実行してくれなくても、何度同じことを言っても、まずは別の視点も提供してくれる場があれば目先よりもっと先を見た勉強生活ができてきます。