期末テストの結果が返却されてきた。全体的に良い点数を取ってきているが、中には思ったように点数が取れていない子もいる。原因はさまざまであり、一概に言えないのであるが、感じることは、やはり勉強の基本は、覚える力であるということである。覚える力とは、暗記力・記憶力と言われる力のことである。もちろん、思考力、読解力、記述力、計算力、情報処理力など、勉強が得意になるための要素は様々であるが、前段階としての「覚える力」が弱い状態では、混乱を招く恐れがある。「忘れる」という現象の厄介なところは、知識がまるまる抜け落ちるわけではないということだ。たとえば、不定詞と現在完了形を説明したとする。「1 不定詞はto+動詞の原形」「2 現在完了形はhave(has)+過去分詞」問題はここからだ。仮に忘れてしまったとしても、片方だけを忘れてしまうのならまだ良い。なぜなら、その子の頭の中には、少なくとも、もう片方の知識は残っているのだから。ところが、覚える力が弱いと、一部分だけ中途半端に抜け落ちてしまう。上の例で言えば、「動詞の原形」という言葉と「have(has)」という言葉が抜け落ちてしまう。そのため、「不定詞はto+過去分詞」という間違いをしてしまうのだ。または「have(has)+to動詞の原形」とし、「~しなければならない」という意味を作ってしまう。これが「混乱する」という現象である。混乱度が大きくなる前に整理が必要だと感じている。